お経に書かれていることを「法鏡」と釈迦は説かれた。

こんにちは。「1からわかる仏教講座」スタッフのkakoです。

講座の内容をご紹介します。

「仏」とは悟りの名前であり、その悟りを開かれた人のこと

仏教は今から2600年前、釈迦という人が仏の悟りを開かれて説かれた教えです。

 

「仏(ほとけ)」というのは悟りの名前なのですが、その悟りを開かれた人自身のことも「仏」と言われます。春先になると「オレは悟った」という人も出てきますが、それはホットケばいい仏です。地球上で仏の悟りを開いた方は、現在まで釈迦のみです。

 

35才で仏の悟りを開かれた釈迦が、それから80才までの45年間、「仏」として説かれた教えが仏教です。

 

では釈迦は、いったい何を教えていかれたのでしょうか?

 

釈迦の説かれた仏教はすべて、「お経」として書き残されています。それらのお経をまとめて「一切経」といわれます。その巻数はなんと7000巻以上(!)にも上ります。キリスト教、イスラム教といったほかの宗教の教典を見てみても1冊か2冊ですから、7000巻という数はズバ抜けていますね。

 

それら7000巻のお経には、果たしてどんなことが説かれているのでしょうか?

 

7000巻以上のお経の内容をひと言でいうと?

釈迦が亡くなる直前に、弟子の1人が「これまでお釈迦様が説かれたことは、ひと言で言えば、何でしょうか」とたずねました。

それに対する釈迦の言葉が、

汝らに法鏡(ほうきょう)を授けるであろう

です。

 

法とは「真実、ありのまま」ということなので、法鏡とは「ありのままの私の姿を映す鏡」ということです。

 

つまり仏教は、「『真実の私の姿』を見せてくれる鏡のような教えだ」ということなんですね。

 

仏教の目的は、宇宙の果てのことが分かるようになることでも、良好な人間関係の作り方が分かるようになることでもなく(もちろん、仏教には宇宙のことや人に親切すべきことも教えられていますが)、あくまで「本当の自分」を知ることです。

 

ですから、仏教を聞いていくと「本当の自分」が知らされてくるのです。自己を知らせる教え、ということで仏教のことを自覚教とも言われます。

 

ただ、「本当の自分」といっても、仏教は“心”を重んじる教えであるので、仏教で知らされる「本当の自分」とは「心の姿、心の奥底」のことです。それは自分の意識とは比較にならないほど深いものをいわれます。

 

自分探しの旅に出れば自分と向き合う機会が多くなり、今まで知らなかった自己の一面がわかることもあります。しかし「本当の自分」「自分の心の奥底」というのは、もうわかるものではありません。

 

仏教には『真実の自己』が詳しく教えられているのです。その私の「本当の姿」がよりわかるようにと、釈迦は私達人間を「旅人」にたとえられています。

 

なぜ「旅人」なのか? 次回、お話しします。

 

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