自利利他(じりりた)
先日、ある経営者の方とお話していて、
こんな話が印象に残りました。
多くの日本企業が新卒一括採用をやめない理由は、
同時期に一定レベルの人材を採用することによって、
研修や教育にかける費用を抑えることだけが理由ではなく、
本当は、既存の社員の為だというのです。
たくさんの後輩が入ってくれば、様々な部署の社員が
一から仕事を教えなければなりません。
そうなると自分の若い頃はどうであったか、
自分が入社したときの原点の確認し、
また何度教えても同じ失敗を繰り返す後輩に、
どう言ったら改善してもらえるか、
悩みもするし忍耐もする。
それがそのまま、既存社員のレベル向上に大きく寄与する
というのです。
そういえば、漫画「ドラゴン桜」にでてくる主人公
桜木先生もこんなことを言っています。
「最良の教育とは、その人が教える立場になることだ」
学力的な面で落ちこぼれの生徒の集まりであった高校を、
東大合格レベルまで引き上げる一番の秘策が、
小学生や中学生相手に、高校の生徒が授業をするというのです。
インプット(学ぶ)ばかりでアウトプット(伝える)をしない人は、
中々成長しないと言われますが、やはり学んだことは、即実践。
自分の学びを人に伝えることが、その人自身の学びが深まる。
まさに自利利他(じりりた)の行いですね。
皆さんは自分の学びを、人に伝える場を設けていますでしょうか?
そもそも、伝えるものがないから自分は無理、と言われる方があれば
まずご自身が学びの場に足を運んでみられては如何でしょうか。