「この人、考え方が私とぜんぜん違う…」 そんな人との出会いは、今まで見えなかった景色が見えるチャンス。
秋を通り越して一気に寒くなってきたかと思ったら、週末は少し暖かくなるようでお出かけ日和になりました。
講座スタッフの両部です。
先週の木曜は成城ホールでの講座でした。
ベストセラー書籍「7つの習慣」の6番目の習慣と、仏教の基礎である因果の道理からお話をしました。
6番目の習慣、というのは、シナジーを創り出す、ということなのですが、シナジーとは相乗効果のことです。
相乗効果。協力。団結。
いろいろなところでよく使われる言葉ですが、実際は難しいな、と思う人も少なくないかもしれません。
気が合う人、考え方が似ている人とは意気投合して、いろんなアイデアが出てきますが、価値観が違う人とは対立してしまったり、どちらかが我慢することになる、そんな場面も多く聞きます。
じつはシナジーは、自分とは考え方の違う人と一緒のときこそ、大きな力を発揮します。
それは、お互いの考えを元に、自分のアイデアとも相手のアイデアとも違う、まったく新しいアイデアを生み出すからです。
1人では見えなかった景色を、相手を通して知ることができます。
仏教では、一人ひとりが見ている世界を「業界(ごうかい)」と教えられます。
「業」とは、サンスクリット語で「カルマ」と言われます。
人それぞれ育ってきた環境が違いますので、価値観も違います。
同じ映画を観ても感想は少しずつ変わりますし、好き嫌いも全部おなじにはなりません。
自分のことをわかってもらいたいと思っても、じつは心の奥底は、生まれてからずっと1人ぼっちですので、経典には
人世間愛欲の中に在りて、独り生まれ独り死し、独り去り独り来たる。(大無量寿経)
とすら説かれます。
そこからすれ違いが生まれてきます。
けれど、「違う」ということは、今まで自分一人では見えなかった景色が見えるチャンスですから、考え方が違う、ということはじつは喜ばしいことです。
そういえば、性格はまるっきり反対の夫婦も仲良く暮らしてる方を見かけます。
違うからこそ、お互いに補い合い、支え合ってゆけるのではないでしょうか。