強みを活かして取り組むべきは「マーケティング」と「イノベーション」-人生を劇的に変える“ドラッカーと仏教”④
「1からわかる仏教講座」スタッフの minami です。
このブログでは、仏教講座のテーマである「人生を劇的に変える“ドラッカーと仏教”」の内容の一部をご紹介しています。
前回は「上司をマネジメントする方法」についてご紹介しました。
前回の記事はこちら
[blogcard url=”https://japan-buddhism.com/2889.html]
マネジメントは「強みを活かし、弱みを無意味にすること」とドラッカーは語っています。
そのために大事なのは自分の強みを自覚すること、そしてそれが発揮できるように上司をマネジメントすることであると、前回まででお話ししてきました。
今回は、企業において、強みを活かしてなすべき2つのこと-「マーケティング」と「イノベーション」-について紹介します。
ビジネスの2つの機能 「マーケティング」と「イノベーション」
企業がなすべきことについて、ドラッカーはこう語っています。
ビジネスには二つの機能しかない。マーケティングとイノベーションである。
「マーケティング」と「イノベーション」こそ、強みを活かして取り組むべきことなのですね。
ビジネスの機能① マーケティング
耳にしたことがある人も多いと思いますが、1つ目の「マーケティング」とはどういうことでしょうか。
マーケティングとは、顧客が何を求めているかを知る、ということですね。
顧客が求めているもの、ニーズがわからなければ、それを満たす商品やサービスを提供して利益を生み出すことはできませんね。
このマーケティングと反対の言葉は何でしょうか?
それは「セリング」です。売り込む、ということですね。
セールスされる、売り込まれると聞くと、いいイメージは抱かないですよね。
相手のニーズも把握せずに売り込もうとすれば、顧客は離れてしまい、継続的に利益を上げることはできません。
ドラッカーは
マーケティングの理想は、セールスを不要にすることである。
とも語っているように、徹底したマーケティングがあればセールスは不要になり、長期間に渡って利益を生み出することもできるのですね。
「顧客目線」で考えることが大切であるとわかります。
またドラッカーは、マーケティング部の社員や専属マーケッターなどの特定の人だけでなく、すべての社員がマーケッターになるべきだとも語っています。
どんな立場の人であっても、自分のやっていることに「それは顧客にとって最も良いことであるか?」と自問することが大事なのですね。
ビジネスの機能② イノベーション
ビジネスの2つ目の機能が「イノベーション」です。
新たな価値を提供し、新たな満足を生み出すことですね。そうすることでさらなる利益を生み、社会の構造さえも変化します。
ドラッカーは『イノベーションと企業家精神』の中で、イノベーションに「7つの機会」があることを書いています。
イノベーションの7つの機会
- 予期せぬ成功
- ギャップ
- ニーズ
- 産業構造の変化
- 人口構造の変化
- 認識の変化
- 新しい知識
数字が増えるほど実現が難しいとされています。
変化に目を向け、わずかな機会も逃さないようにしていきたいですね。
マーケティングにも通じる、仏教で説かれる「利他主義」
「マーケティング」の中で触れた徹底した顧客目線でのビジネスは「利他主義」ともいわれます。
自分の利益ではなく、他人の利益を優先する、という意味で使われていますね。
ビジネスでいえば、顧客第一、顧客のニーズを知り、それを満たすものを提供する、という意味になるでしょう。
この「利他」という言葉は、もともとは仏教からきた言葉です。
「他を利する」ということで、「他人の利益を優先する」に限らず、「他人が喜ぶことをする、他人を幸せにする」という意味もあります。
この「利他」にはペアとなる言葉があります。
それが「自利」です。自分の幸せ、という意味ですね。
仏教では「自利利他」といわれ、「他人を幸せにするままが自分の喜びとなる、
他人の利益を生むままが自分の利益も生み出される」と教えられています。
実際にビジネスでも徹底した顧客目線、利他主義によって、自社の長期的な利益もまた生み出されるのであり、ビジネスでもまさに「自利利他」といえるのしょう。
ビジネスでも日常生活でも「自利利他」の教えをぜひ実践していきたいですね。
次回は、ドラッカーの思想の核心部分に迫ります。
[blogcard url=”https://japan-buddhism.com/2919.html]