人間関係の悩みを解消する6つのヒントー六度万行
こんにちは。「1からわかる仏教講座」スタッフのkakoです。
仏教講座で学んだことをご紹介します。
今回は「六度万行」についてです。みなさんと一緒に理解を深めたいと思います。
仏教で説かれる「六度万行」とは
そもそも仏教にはどんなことが教えられているかから、振り返ってみます。
仏教は2600年前にお釈迦様が説かれたものです。そんな昔に説かれた教えを、どうして現代を生きる私たちが知ることができるのでしょうか。
それは、お釈迦様の説かれたことはすべてお経に書き残されているからです。
では、そこにはどんなことが書かれているのでしょう?
お経には、これをすれば幸せになれる、悩みを解決できるという「善」が説かれています。
ただ、一口にお経といっても、その数は実に7千冊以上あります。そんなにたくさんあるお経に善が説かれているので、仏教では良いことがたくさん教えられているんですね。
それらたくさんの善のことを諸善、あるいは万行(まんぎょう)といわれます。
でもそんなにたくさん教えられていたら、嬉しいですけど、困ってしまいますね。
たくさんあると、どれからすればいいか、迷ってしまうからです。そして散々迷ったあげく、やらない場合が多いんですね。
これは心理学でも証明されていて、「ジャムの法則」と言われています。
シーナ・アイエンガー(Sheena Iyengar)による実験によって示された法則。
6種類のジャムを並べたテーブルと24種類のジャムを並べたテーブルの2つを用意したところ、どちらのテーブルでも試食をした人の人数は変わりませんでした。しかし、最終的にジャムを購入した人の割合を見ると、6種類揃えたテーブルの場合は30%、24種類のテーブルではなんと3%、と非常に大きな差が開いてしまった結果から導き出した。
選択肢を少なくすることで、顧客のストレスを減らす販売戦略の根拠となっている。
たくさん選択肢があると、精神的負担が大きくなってしまうのですね。
そこで、お釈迦様は たくさんの善を6つにまとめて教えられています。
これを六度万行といいます。また、六波羅蜜(ろっぱらみつ)ともいわれます。
「万行」とは、よろずの行と書きますが、行は「善」のことであり(たとえば「修行」という言葉は行を修めると書きますが、あれは善を修めるという意味ですね)、万行はたくさんの善ということです。
「度」と「波羅蜜」は同じ意味です。「波羅蜜」とは、サンスクリット語の「パラミッター(彼岸に至る)」に漢字を当てたもので、中国で「度」と翻訳されました。
対人関係などの悩み、苦しみの絶えない人生を、幸せな人生に明るく渡すということです。
有名な経営者も指針とする「六度万行」
この六度万行を、座右の銘や経営指針にしている人もいます。
たとえば、京セラの創業者である稲森和夫さん。
稲森さんは仏教徒としても非常に有名で、常に何かしら仏教の本を持ち歩き、暇があればよんでいるそうですよ。
稲森さんのベストセラー『生き方』の中にも、六度万行が紹介されています。
京セラとKDDIという異なる分野でそれぞれの企業を世界的企業へと導いたのみならず、わずか3年足らずでJALの再建をし、毎年赤字続きだったところから、1800億円黒字にすることに成功させました。
これほどの偉業を成し遂げた稲森さんが大切にされていた心がけが、この六度万行だそうです。
その六度万行について、次回は1つ1つ、具体例を通して紹介します。
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