【意業①】
■「業(ごう)」とは
インドの言葉で「カルマ」
日本の言葉で言えば「行為」のことです。
私たちは三つの方向から
いろいろな行いをしますので、
これを仏教では『三業』といいます。
・意業(いごう)…心で色々思うこと。
・口業(くごう)…口で色々しゃべること。
・身業(しんごう)…体で色々やること。
これをまとめて身口意の三業といいます。
この三つの業の中でも、
仏教が最も重視するのは意業です。
■「お前だろ、やったのは!」
「何もしていない。」
「うそをつけ、見た者がいるんだぞ!」
「・・・・」
こんな場面、ドラマにありそうですが
これはその人の身体で実行したこと、
いわゆる【身業】を問題にしている場面です。
「お前、彼女になに言った!?」
「何も言ってない。」
「言っただろ!?彼女、泣いてるじゃないか!」
「知らない、言ってないし。」
このように、その人が口でしゃべったこと、
【口業】を問題にする場面も日常生活で見かけます。
仏教では
「今、何を思った?」
「思っただろ?そういうこと。」
「思ったのか、思ってないのか」
と【意業】を最も重視するのです。
「やったか」「言ったか」よりも、
「思ったかどうか」
を問題にするのです。
■たとえばある人が
周りの人から「優しくて謙虚な人だ」
と評価されている。
その評価も大事ですが、
もっと大事なのは、実際に
「優しくて謙虚な私かどうか」ということです。
謙虚な身のこなし、優しい言動があれば
周りの人は「やさしくて謙虚な人だ」と評価しますが、
実際自分は優しくて謙虚なのか
胸に手を当てて考えてみることです。
では、なぜ意業を最も重視するのか。
次回に続きます。