人間の運命は何によって決まるのか-仏教の運命論

前回の記事で、仏教には真理が説かれていること、
その仏教の本は「因果の道理(いんがのどうり)」と言われ、七千冊以上あるお経は因果の道理をもとに説かれていること、だから因果の道理がわからねば仏教の理解が正しく理解できない、ということをお話しました。

前回の記事はこちら
仏教で説かれる「古今東西変わらないもの」とは?-因果の法則について

ではその因果の道理とはいかなるものなのでしょうか?

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道理とは、古今東西変わらないもの

まず「道理」とは仏教で“三世十方(さんぜじっぽう)を貫くもの”を言われます。

三世は過去・現在・未来のことでいつでもということです。
十方は東西南北・上下・四維(しゆい)のことでどこでもということです。

ですから、道理とは「いつでも、どこでも成り立つもの」ということですね。古今東西変わらないものであり、前回の記事でも触れた“法”と同じ意味ですね。

仏教は2600年前に説かれた教えですが、そんな昔から今も変わらず通用する道理が説かれていたとは本当にすごいです。そんな昔に説かれた教えなら科学的な矛盾が出てきそうなものですが、「仏教は科学の進み行く究極のところを先取りした感がある」とまで絶賛する大学教授もあるほど、仏教は極めて論理的な教えなのですね。

次に「因果」とは“原因と結果”ということです。
結果には必ず原因がある。原因無しに起きる結果は絶対にない、というのが因果の道理であり、それは古今東西決して変わることのないものなのです。

わかりやすい言葉いうと
「まいたタネは必ず生える」
「まかぬタネは絶対に生えぬ」

ということです。

ドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)が、ディーゼル車の排気ガス規制を不正に逃れようとし、話題になっています。

窒素化合物の排出が基準の何十倍であるにもかかわらず、不正なソフトウェアを搭載し、規制を免れようとしていたのですね。

フォルクスワーゲンは世界で新車販売でトヨタ自動車と激しい争いをし、今年上半期の売り上げはわずかながらトヨタを上回り、初めて売り上げトップに立ちました。

そんな矢先の不正発覚。トヨタとの競争に何としても勝ちたい。そんな思いが不正へ走らせたのかもしれません。しかし、こんな不正をすれば信用失墜ですし、180億ドル(2兆円)という莫大な制裁金も課せられるかもしれないと報道されています。

なぜこのような結果を招いたのか。

それは当然、不正なソフトウェアを搭載したという原因があったからですね。何も不正をしていなければこんな問題が起こるはずはありません。

問題が起きたということは、必ずそれを引き起こす原因があったのです。

だから、何か問題・事故が起きたならば、必ず「現在、原因を調査中です」と言われます。原因無しに起きる結果の無いことを、誰もが認めているのですね。

仏教のいわれる原因と結果の関係では、例外を絶対に認めません。原因無しに起きる結果は万に一つも兆に一つもありません。「これだけは原因無しに起きた結果だ」というものは絶対に無いのですね。

よく「偶然」という言葉使われます。「街を歩いていたら偶然、知り合いに出会った」「この事故が起こったのは不幸な偶然が重なったからだ」など。

この偶然を「起きた結果に対して原因がよくわかっていない」という意味で使われているのならいいのですが、「原因無しにこんな結果が起きた」という意味で使われているのなら、仏教では大変な間違いになります。そんな意味で使っているのなら、きびしい言葉ですが「無知」だと言わざるを得ません。「原因無しに結果が起きる」という“偶然”は一切無く、すべて原因があって結果が生じる“必然”なのですね。

仏教で説かれる因果関係は「人間の運命はどうやって決まるのか」

結果には必ず原因がある。

科学でも医学でも、起きた現象の因果関係を追求することで進歩・発展をしてきました。

科学なら自然現象や実験で得られた結果の原因究明、医学なら病気の因果関係が日夜研究されています。

では、仏教では特に何の原因と結果の関係が説かれているのでしょうか?

それは私たちの運命の原因と結果の関係です。

仏教では正確には「運命」という言葉を使わないのですが(仏教では“禍福”といわれます)今日の人には「運命」という言葉の方がなじみのある言葉なので敢えて使われています。

私たちの運命は何によって決まるのか。

これほど不思議なものはありません。科学がいくら発達しようとも明らかにされていない、わからないのが運命と言われます。その運命の原因と結果の法則が2600年前に説かれた仏教で明らかにされているのですね。

それでは、仏教では運命の原因と結果の関係をどう教えられているのか。それについて続けて記事にしていきたいと思います。
また講座でも詳しく教えられていますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。

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