そもそも「仏」とは? 「仏」の正しい意味について
仏教とは「仏の教え」「仏の説かれた教え」と書きますが、この『仏』とは、一体なんなのでしょうか。
世間で『仏』というと“死んだ人”のことを『仏』といっております。
時代劇でも、死体を見て「仏の身元を洗え」とか、むごい殺され方だったりすると「これでは仏も浮かばれめぇ」と使ったりします。
このたびの震災でも「あの建物は仏様を安置している場所で、家族が身元確認をしています」と報道されました。
このようにみんな死んだ人を『仏』といっておりますが、もし「仏=死人」のことだとしますと、仏教は死んだ人が説いた教え、ということになってしまいます。
死人のことを『仏』というのは、大きな誤解です。
「仏」の正しい意味とは
では仏教で仏とは、どんな方をいうのか、といいますと「最高の悟り」を開かれた方をいうのです。
一口に悟りといっても、低い悟りから高い悟りまで全部で52の位があり、これを「さとりの52位」といいます。
この人は悟りをひらいた人、こういう人は悟りを開いていない人、と二つに分けて語っている本は多いので、さとりは一通りに思っている人が多いですが、悟りといってもいろいろあるのです。
ぴんからきりまで52の位があり、それぞれ名前がついています。
ちょうど相撲取りでも、下は序の口,序二段から、上は大関,横綱までいろいろあるようなものです。
あ、力士だ!といってもふんどし担ぎの下っ端力士から白鵬のような横綱までいろいろですから、一口に力士といっても、ずいぶん違いがありますよね。
ちょうどそのように「悟りをえた」といっても、どの悟りなのか、が問題です。
そしてこの52の位の最高の悟り、下から数えて52段目、これを『仏覚』といい、これ以上ない悟りだから『無上覚』というのです。
この仏のさとりをひらかれた方を、仏』あるいは『仏様』といわれます。
そして、地球上で仏の悟りまでひらかれた方はお釈迦さまはただお一人ですので、仏様といえばお釈迦さまのことをいわれます。そのお釈迦さまが生きている私たちに仏として説かれた教えなので「仏教」といわれるのですね。
冒頭でお話した通り、仏を死人というのは大変な誤解であり、また仏教は死んだ人に説かれたものではなく、生きている人間にとって大事なことが説かれているものなのです。
では、仏として説かれた仏教とはどんなことが説かれているのか、ぜひ知っていただきたいく思います。